どんな場面で使えばいいの?
あなたのビジネスにストーリーはありますか?
小説やドラマをみて心を動かされた、感動したという経験は誰もが持っているかと思います。その感動はマーケティングでも活用できるものであり、ビジネスの収益をあげるために役立つのです。
今回の記事では、ストーリーを用いたマーケティング手法である『ストーリーテリング』とは何かを解説し、構成の作り方や利用できる場面を説明しています。
次のいずれかに当てはまる方は、ぜひ最後までお読みください。
- ストーリーテリングが何なのか知りたい
- ストーリーの作り方がわからない
- どういった場面で使えばいいのか学びたい
ストーリーテリングとは?
これから、ストーリーテリングについて詳しく説明していきます。私は、ストーリーをビジネスに取り入れることによって、大きくビジネスが拡大しました。
なぜストーリーが効果があり、威力があるのかは読み進めていただければわかります。ぜひ、最後までご覧ください。では、始めましょう。
ストーリーテリングの特徴は以下の3つです。
- ストーリーで語り、共感や理解を促す
- マーケティング手法として利用されている
- 多様な場面で利用できる
顧客へ共感を促し、ブランドに対するイメージを印象付けるには、ストーリーテリングが適しています。
単純にストーリーを語るだけではないので、手法の詳細についてはしっかり学ぶ必要があるでしょう。
では、ひとつずつ詳しく解説していきます。
共感や理解を促す手法
具体的なストーリーを語ることで読者を惹きこみ、共感や理解を促す手法がストーリーテリングです。
読み手の感情を揺さぶるため、論理的な文章よりも強い印象を与えられます。
なお、ここでいうストーリーとは、事実を時系列順に並べただけの単純なものではありません。具体的なセリフや感情を盛り込むことで苦労や失敗が自分ごとのように伝わり、心を動かせるストーリーとなるのです。
マーケティングに利用されている
マーケティングの手法としてストーリーテリングは注目されており、多くのマーケターに取り入れられています。
なぜなら、商品やサービスに付け加えられたストーリーは、単なる商品情報より購買意欲を高められるからです。
例えば商品の開発秘話を掲載することで、顧客は商品や会社に親近感を感じてもらえます。
また、創業者によるスピーチも、ブランド力を高めるマーケティング手法として有効です。
利用できる場面が多い
ストーリーテリングが利用できる場面は口頭だけではなく、紙媒体や動画、SNSなど多岐にわたります。
ただし、使う場面によって目的が異なるため、ストーリーテリングを効果的に用いるには表現方法に気を付けなければなりません。
たとえば、口頭であれば情報を圧縮して簡潔に伝える必要がありますが、ウェブサイト上ではストーリーを詳細に伝えたほうが心に響きやすいでしょう。
ストーリーを適切な形で語ることができれば、顧客から自発的に動いてもらえます。
ストーリーテリングの効果
優れた商品であればストーリーは不要、と考えている方もいるかと思います。
しかし、ストーリーテリングによって得られる効果はブランディングに有効なので、切り捨てるのは損かもしれません。
ストーリーテリングの具体的な効果としては、下記の3点が挙げられます。
- イメージが伝わりやすくなる
- 自分ごとのように共感される
- 記憶に残りやすい
これら3点について悩まれているのであれば、ストーリーテリングは十分な効果を発揮してくれるでしょう。
イメージが伝わりやすくなる
イメージによって商品やサービスの魅力を伝えることは、ストーリーテリングの得意分野です。
たとえば、商品やサービスを使って問題解決するストーリーを伝えることで、商品購入後のイメージを与えることができます。
とくに、数字などの直感的に理解しづらい表現が多くなりがちなデジタル商品を扱う際は、イメージを与えることによる効果は大きいでしょう。
具体的なストーリーの伝え方は商品によって最適解が異なるため、目的にふさわしい形を選ぶことになります。
自分ごとのように共感される
ストーリーを詳細に伝え、具体的なイメージを聞き手に与えることで、まるで自分ごとであるかのように共感してもらう効果があります。
語られるストーリーに共感できるポイントが多ければ多いほど、語り手に対する親近感と信頼感が増します。
お金を稼ぎたい、自分だけのためにしている、といった個人的なアピールをしても共感は得られないでしょう。
マーケティング手法として用いるストーリーテリングは、共感してもらえるストーリーを嘘偽りなく語る必要があるのです。
記憶に残りやすい
ストーリーは単なる情報では与えられない感覚を伝えられるため、顧客の記憶に残りやすくなります。
歴史を例に挙げると、年表を見るだけではなかなか覚えられませんが、小説やドラマなどのストーリーであれば記憶に残りやすいでしょう。
とくに強烈な印象を与えるワンシーンであれば、時間が経過しても脳裏に焼き付いているはず。このようなイメージを顧客に与えるために、ストーリーテリングが用いられているのです。
ストーリーテリングを用いるメリット
ストーリーテリングによって得られるメリットは、次の3つです。
- 明確なビジョンを見せることで見込み客を魅了できる
- 多くの情報をまとめ、わかりやすく簡潔に伝えられる
- 社員の意識にも影響を与えられる
これらのねりっとを最大限に得るためには、聞き手に共感してもらえるストーリーを練らなければなりません。
魅力的なストーリーでなければメリットを享受できない点には、注意してください。
見込み客をすぐに魅了できる
優れたストーリーは読み手に明確なビジョンを見せ、商品やストーリーの魅力に気付かせることができます。
たとえば、ダイエットサプリの成分や効能を箇条書きで伝えるだけでは、購入したいと感じてもらうのはなかなか難しいでしょう。
そこで、サプリを使用した体験談をとおしてストーリーを語ることで、サプリを購入した後に訪れる未来の自分をイメージしてもらうのです。
こうした未来のビジョンは商品の魅力に繋がり、見込み客をすぐに行動させるきっかけとなります。
わかりやすく簡潔に情報を伝えられる
ストーリーテリングを用いれば、多すぎる情報を簡潔かつわかりやすくまとめられます。
多くの事実をリストで並べるだけでは、見る側に嫌悪感を与えてしまうでしょう。その点ストーリーであれば、多くの情報を1つの流れで伝えることができ、自然と受け入れてもらえます。
とはいえ、すべての情報をストーリーに含めると伝えたい要点が拡散してしまうため、語る内容の取捨選択は重要です。
社員の意識にも好影響を与える
ストーリーテリングが感情を動かす対象は、見込み客だけでなく社員にまで及びます。
自社が目指しているビジョンをストーリーで伝えることで、ともに働く社員の感情まで揺さぶられます。感情が揺さぶられれば、会社が目指すビジョンを自分ごとと認識し、モチベーションの向上につながるでしょう。
こうして心を動かされた社員が使命感をもって行動するようになれば、その意識が顧客にも伝わり、会社全体のイメージも改善されていくはずです。
ストーリーテリングに必要な6つのポイント
ストーリー構成の作り方を解説する前に、ストーリーテリングにおいて必要なポイントを6つ紹介します。
- わかりやすく表現する
- 大切な人へ語るようにストーリーを伝える意識を持つ
- ストーリーの内容はなるべく具体的に伝える
- 事実のみを伝え、嘘は伝えない
- ギャップをストーリーに織り込む
- 身近な事例をもとにしてストーリーを考える
ストーリーテリングには、語り手と聞き手の信頼関係を構築する目的があります。その目的を達成するためにも、ここで挙げた6つのポイントは必ず押さえておきましょう。
わかりやすく表現する
ストーリーテリングをおこなう際は、一度聞けば理解できるようなわかりやすい表現を心がけましょう。
たとえば難しい言葉や専門用語を使うと、話の意味を理解されない可能性が出てきます。
他にも、一文が長すぎると文章の内容を理解してもらうのに時間がかかってしまうため、感情を動かすのが困難になります。
なるべく日常の会話で使う言葉で表現し、小学生でもわかるような話作りを意識してみてください。
大切な人へ語るようにストーリーを伝える
ストーリーを語るときは、自分の大切な人へ想いを伝えるようにするのが理想的です。
大切な人に語り聞かせるとなれば、適当なストーリーでつまらない思いをさせたくないでしょう。相手を思いながらストーリーを紡ぐことで、より面白く、より具体的な内容を伝えたい意識が伴います。
こうした思いやりから語られるストーリーであれば、聞き手に共感と信頼を与えやすくなります。自分は特別な立ち位置なのだと聞き手が感じてくれるように、思いやりや愛情を込めてストーリーを伝えましょう。
具体的に伝える
具体的なストーリーは鮮明なイメージをもたらし、与える信頼感や共感を強くします。
たとえば、以下のような要素をストーリーに盛り込んでみてください。
- そのときの感情
- 具体的な数字
- 景色や人物の詳しい描写
- 会話の内容
これらの情報は聞き手の五感に働きかけ、自己投影しやすいハッキリとしたイメージを作り上げます。
ただし、事実を羅列するだけでは話の流れが悪くなるので、ストーリーの要所に挿入するようにしましょう。
事実だけを語る
伝えるストーリーには嘘を含めず、実際にあったことだけを話さなければいけません。
ストーリーが本当に起きたことだからこそ、内容に説得力と信頼性を持たせることができます。見栄を張って捏造した話は思った、より簡単に見抜かれてしまいます。
仮に嘘が見抜かれなかったとしても、あとで露見したら信頼を失う爆弾を抱えるのと同じです。
後ろめたい現状や失敗を嘘で隠したい気持ちはわかりますが、伝える内容は必ず事実だけにしましょう。
現実とのギャップをストーリーに入れる
話にギャップを織り込むことで、聞き手の心を大きく揺さぶるストーリーへと仕上げることができます。
人は誰しもが現実に裏切られた経験を持っているため、ギャップには人を共感させる力があります。
ギャップの差が大きいほど人を惹き付けやすいため、より大きな違いを伝えられるギャップを探し、ストーリーに取り入れましょう。
ギャップには大きく分けて3つの種類があるので、どの種類を採用するかあらかじめ考えるのもいいでしょう。
- 時間軸のギャップ(時間の経過でどう変わったか)
- 理想と現実のギャップ(人の認識と現実がどう違うか)
- 言葉のギャップ(「戦争と平和」などの2つの言葉が以下に対極であるか)
身近な事例をもとにする
聞き手がより共感できるように、身近な事例をもとにストーリーを考えてください。
ギャップが大きいほど心を揺さぶりやすいのですが、差がありすぎるとイメージ自体できない場合があります。
たとえばサラリーマンをやめて1億円稼いだと話されても、常識的な感覚とかけ離れ過ぎていて絵空事に聞こえるかと思います。
そうした落差を埋めるために、身近な事例を題材としてストーリーを構成しましょう。
ストーリーテリングの構成と作り方
ストーリーを作る際の参考として、構成の型を紹介します。
構成が考えつかない場合は、次の順番を参考に作ってみてください。
構成の型
- 語り手と聞き手の立ち位置を合わせる
- 失敗談を伝える
- 自分が成功したきっかけを説明する
- 小さな体験から大きな体験まで順番に話す
- 権威性や専門性を示す
- すでに成功している人たちを紹介する
- 行動を促す
この構成はあくまで一例であり、使う場面によって最適な構成は変わってきます。新しい要素を付け加えるなど試行錯誤しながら、より効果的な形を探してみましょう。
1.立ち位置を合わせる
ストーリーの出だしでは、語り手と聞き手の立ち位置を合わせるのが有効です。
ストーリーを聞き始めた時点では自分の求めている話なのか判断できないため、聞き手は不安を抱えています。
そのため、聞き手と同じ悩みを持っている主人公がストーリーに登場することで聞き手は安心し、主人公と同じ目線で物語に引き込まれていくでしょう。
話に興味を持ってもらえるかどうかの大事な掴みの部分なので、聞き手の不安や悩みをよく考えたうえで導入の仕方を決めてください。
2.失敗談を伝える
立ち位置を合わせたら、次は失敗談を伝えてください。
まったく失敗していない人の話をしても、聞き手の参考にはなりません。なぜなら、失敗しない人間だから成功したと誤解させてしまうからです。
失敗した話をすることで、語り手と聞き手が同じ土俵から成功したのだと理解してもらえます。
失敗談をとおして、
「自分も成功できそうだ」
「主人公になれる」
といった当事者意識を芽生えさせましょう。
3.成功したきっかけを説明する
失敗してからどのように這い上がって成功したか、理由を説明してください。
成功する方法は、聞き手にとって一番関心のある部分です。
その方法が聞き手にとって思いがけないものであるほど、強い印象を与えることができます。
運命的な出会いや偶然のきっかけのように突発的な出来事でストーリーを急転換させ、話のメリハリを与えましょう。ただし、展開を面白くするために架空の出来事を作るのは避けてください。
4.小さな体験と大きな体験をあげる
具体的にどういった成功をしたかについて、小さな体験から順に伝えてください。
聞き手に感動してもらうためには、体験した事実だけでなく、そのつながりを伝えるのが重要です。そのためには、大きな成功が生まれる過程を段階的に伝えましょう。
そうすることで、小さな成功の積み重ねによって大きな成功が生まれたのだと認識してもらうのです。
5.権威性や専門性を示す
ここまで語ったストーリーの信憑性を高めるために、権威性や専門性を示してください。
ただ失敗談や成功談を語るだけでは、あなた個人の見解でしかありません。そこで、第三者がストーリーに普遍的な価値を感じられるように、権威性や専門性で裏付けをします。
具体的には、有名な人からの評価を宣伝したり、専門的な研究論文から根拠を提示したりするとよいでしょう。
6.多くの成功者を紹介する
より信憑性を高めるために、多くの人が成功している事実を伝えてください。
聞き手のなかには、専門家の言葉よりその他大勢の口コミのほうが信じられるという人もいます。同じ悩みを持っていた人が続々と成功していることを伝え、あなたが語るストーリーが確かなものであると信頼してもらいましょう。
なお、他の人が成功している事実がない場合は、無料でテスターを募集して成功例を作る方法もあります。
7.行動へと促す
ストーリーの最後では、あなたが望む方向へ聞き手が行動するように促してください。
ストーリーテリングによって聞き手の気持ちが高ぶっても、向かうべき方向を伝えなければ各々の解釈で行動してしまいます。
たとえばストーリーテリングの目的が商品アピールであれば、商品の購入をあと押ししてあげる言葉をかけてあげましょう。
もし文面でストーリーを伝えているのであれば、商品ページなどに誘導するとよいでしょう。このパートがないため収益につながっていないパターンは意外と多いので、必ず促すようにしてください。
ストーリーテリングを活用する場面
ストーリーテリングの活用例として、以下の3つの場面について説明します。
- LP(ランディングページ)
- ブログ
- SNS
ここで挙げた3例は文章での活用方法ですが、もちろん口頭のスピーチや動画でもストーリーテリングは有効です。
ここでは、文章を用いた上記3つについてみていきます。
ランディングページで活用する
ランディングページから見込み客を行動させるためには、ストーリーテリングを活用するとよいでしょう。
ランディングページでは商品の詳細を事細かに説明できますが、読んでもらうためには興味を持ってもらう必要があります。そのためにはストーリーテリングを用いて見込み客を惹き込んでいくのが効果的です。
うまく惹き込むことができれば商品の魅力を感じてもらえるので、商品を購入してもらいやすくなります。
ブログでストーリーを語る
ブログにストーリーテリングを用いると、書き手への共感を覚えてもらいやすくなります。
商品の話をするばかりのブログでは、「関心」を得られても「共感」は得られないでしょう。まずはストーリーを語るようにし、共感する読み手が増えてからブランド色を打ち出していきましょう。
SNSの投稿でショートストーリーを多用する
SNSでもストーリーテリングを活用できますが、その際はショートストーリーを多用することになるでしょう。
なぜなら、長文を投稿できないSNSがほとんどだからです。
ストーリーを短く圧縮するには、流行の話題に乗ることで興味を引くための部分を省略したり、話を描写する代わりに画像や動画を使ったりする方法があります。
文字より画像や動画を重視するSNSも存在するので、利用するSNSにあわせてストーリーを可能な限り縮めていきましょう。
ストーリーテリングのまとめ
本記事では以下の内容について解説してきました。
- ストーリーテリングとは
- ストーリテリングのメリット
- ストーリの作成において注意すべきポイント
- ストーリー構成の型
- ストーリーテリングの活用の仕方
ぜひあなたの商品やサービスを販売する際に、ストーリーテリングの手法を取り入れていただき、多くのファンを作っていただければ幸いです。
今回のストーリーテリングに関連するものとして、「神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)」があります。スターウォーズやロード・オブ・ザ・リング、マトリックスなど、誰もが知っているような大ヒット映画の物語構成にも活用されているものです。
この法則を構成する12の要素や、どうやってビジネスに活用するのかなど解説していますので、次の記事をご覧ください。
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