コンテンツマーケティングとは、Webコンテンツを通じて潜在顧客(見込み客)を段階的にリピーターや購買層に育てていくマーケティングの手法です。
ビジネスの世界では、ブログメディア、Webサイト、動画コンテンツ、SNSをはじめ、複数のコンテンツを組み合わせて行う「Webマーケティング」が主流となりました。
この記事では、ビジネスや企業の成功に欠かせないコンテンツマーケティングの基礎知識と、コンテンツを効果的に拡散する方法について詳しく解説します。
メディア運営や起業、コンテンツビジネスを進めていきたい方には必見の内容です。
【この記事のポイント】
- コンテンツマーケティングとは?
- コンテンツ毎の拡散方法
- コンテンツマーケティングの成功例
コンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとは、ユーザーに役立つコンテンツの提供や情報発信を通して見込み客やファン層などを獲得し、自社の「ファン層を定着」させるためのマーケティング手法です。
コンテンツマーケティングに使用される主要コンテンツには、次のような種類があります。
【主要なコンテンツ】
- ブログ
- Webサイト
- プロフサイト
- Twitter(ツイッター)
- Facebook(フェイスブック)
- Instagram(インスタグラム)
- ライン(LINE公式アカウント)
ブログやWebサイトなど、単体でコンテンツを運用しても拡散はされません。
効率よくコンテンツユーザーを増やすには、各コンテンツ同士を組み合わせて相乗効果を狙うのが一番です。
コンテンツマーケティングと従来の「広告」との違いですが、従来の広告は企業が伝えたいことをメッセージとして消費者に伝えていました。
コンテンツマーケティングの場合
一方コンテンツマーケティングの場合は、発信者が伝えたいことと消費者の間に「コンテンツ」が存在している点に違いがあります。
消費者はコンテンツを通じて情報発信側と接点を持ち、結果として勾配や成約に結びつく行動を行うのです。
ここで、コンテンツマーケティングのわかりやすい例を紹介します。
例1|YouTubeコンテンツマーケティングの場合
Aさんは副業をはじめるため、Googleで「ブログの書き方」について検索していました。
たまたま目に留まったブロガーBさんの動画には、ブログの書き方だけでなく、アクセスアップに繋がる裏技や、ブログ運用でおすすめのツールが紹介されていました。
Aさんは「この人のコンテンツは面白いなあ」と感じました。
ブログの新着情報がわかるように、BさんのTwitterをフォロー、毎日のブログ更新を楽しみにしているうちに、AさんはブロガーBさんの大ファンになりました。
そしてAさんは、Bさんの紹介する商品やサービスを信頼し、頻繁におすすめ商品を購入するようになりました。
いまではYouTuberのBさんのオンラインサロンにも参加し、定期的に有料セミナーにも顔を出すようになりました。
例2|企業のブログの場合
大手食品メーカーH社は、忙しい主婦に向けて「安くて栄養バランス満点の時短レシピ」を紹介するブログメディアを開設しました。
ブログメディアの最新情報はTwitterやInstagramでも紹介。
ユニークなつぶやきや時短レシピの美味しそうな写真は、多くのファンを惹きつけ、主婦以外にもひとり暮らしをしているユーザーの間で話題に。
レシピ内で使用されるH社の商品は、レシピがアップされると同時に売れました。
現在では、YouTubeなどの動画コンテンツでも作り方の手順を紹介。ブログメディアと並んで大きな広告収益が生まれました。
さらに、H社監修の料理本や料理レッスンなど、関連コンテンツも飛ぶように売れています。
価値あるコンテンツ提供でファンを育てる
消費者やユーザーにとって「価値あるコンテンツ」をつくり、提供をすることは、見込み客をファンにし、ファンをリピーターに育てるといった一連のプロセスを生み出します。
なお、コンテンツを作った後には「広めるための対策」が不可欠です。
上述した例1の場合、ブロガーBさんはぶろぐメディアとTwitterなどのSNSを使って情報を広めていました。
収益モデルとしては、ブログで紹介した商品のアフィリエイト報酬、企業案件の報酬のほか、ファンになってくれた人たちに対して、オンラインサロンや有料セミナーを紹介することで収益化に繋げています。
例2の場合は、ブログメディアを広める手段としてSNS(TwitterやInstagram)を活用し、動画コンテンツでもレシピを紹介していました。
広告収益に加えて、関連サービスからも大きな収益を得ています。
このようにコンテンツマーケティングを成功させるには、
が必要です
実際にどのようにコンテンツを広めるのか、これから詳しく解説していきます。
コンテンツを広めるための手法
コンテンツを広めるために「有効な方法」は主に次の5つです。
- SNSマーケティング
- SEO対策
- Web広告
- メールマーケティング
- プレスリリース
それぞれの手法を順に紹介していきます。
SNSマーケティング
SNSマーケティングは、その名の通り「SNSを使ったマーケティング」の手法です。
具体的には、Twitter、Instagram、Facebookのほか、LINEなどのソーシャルメディアを使った、コンテンツを広めます。
【SNSマーケティングのメリット】
- 拡散性が高く、情報伝達のスピードが速い
- 商品やサービスの認知度をあげる
- 企業価値を高める(ブランディング効果)
SNSマーケティングで最も大きいのは、拡散性が高くスピーディに商品やサービスの認知度が上げられる点です。
またSNSを通じてこまめに投稿を行えば、ユーザーとの接点や親和性が生まれ、ブランディングなど発信者の価値を高める効果も期待できます。
SEO対策
SEO対策(SEO施策と呼ぶ場合も)は、GoogleやYahoo! 検索など、検索エンジンで上位表示されるよう、ブログやWebサイト内のリンクを工夫したり、コンテンツの質を高めるなどの施策を行うことです。
- 検索からの流入数が増える
- 見込みの高いユーザーが集められる
- 広告費をかけずに集客効果が出せる
SEOで最も大きなメリットは、自然検索からの流入数が増やせることです。
検索結果上位には「リスティング広告」と呼ばれる有料広告が表示されますが、広告の下には純粋な検索結果(=オーガニック検索)が表示されます。
最近ではコンテンツブロッカーなど、広告表示をなくすアプリやソフトが出回っていて、リスティング広告がうまく機能しないことがあります。
しかし、オーガニック検索であれば、広告ではありません。
上位表示されれば、その分検索流入数も増えます。つまり、SEO対策によってコンテンツをうまく上位表示できれば、広告費をかけずに集客できるのです。
コストをかけずに効率よくコンテンツを広めるには、
この二本立てが「王道」と呼ばれる手法です。
具体的な「SEOの基礎知識」は、以下の記事でも詳しく解説しています。
Web広告
Web広告とは、前項で説明をしたリスティング広告のことです。
Google検索、Yahoo!検索のほか、TwitterやInstagram、FacebookなどSNSにも「広告」が表示されていますよね。
これらはすべて「Web広告」と呼ばれるもので、広告を出稿したい個人や企業が費用を支払い、広告を掲載してもらう仕組みです。
【Web広告のメリット】
- ターゲットを絞った広告が打てる
- ユーザーと親和性の高い商品やサービスが提案できる
- コストパフォーマンスが高い
Web広告では、先にターゲットを決めてから広告を掲載できます。
ユーザーとの親和性が高い商品やサービスが効率よく提案(出稿先でユーザーの興味や関心にあう広告が自動で表示)でき、コストパフォーマンスの高い手法として好まれています。
メールマーケティング
メールマーケティングとは、メール(メールマガジン)を使ってマーケティングを行う方法です。
メールマーケティングでは、あらかじめ取得したメールアドレスを使って、見込み客にアプローチを行います。
メールアドレスの収集方法ですが、ブログやWebサイトに「メルマガ登録」のフォームを設置したり、無料コンテンツを配布する代わりにメルマガを登録してもらうなどの方法があります。
【メールマーケティングのメリット】
- 低コストではじめられる
- 結果や効果の測定がしやすい
- コストパフォーマンスが高い
メールマーケティングであれは、Web広告のような費用をかけずに、効率よく見込み客に対してアプローチが行えます。
またメルマガ配信ツールでは、メールの開封率などが測定できるので、結果を見ながら有効なアプローチ方法や、読者の反応が良いメルマガの書き方について分析しやすいなどのメリットがあります。
プレスリリース
プレスリリースとは、報道機関に向けて企業や団体のサービス、新商品、取り組みなどの情報を告知(または発表)することです。
プレスリリースは専門のプラットフォームがいくつもあり、中には無料でプレスリリースできるサービスもあります。
- 無料でもはじめられる
- 情報サイトやニュースサイトに掲載される
- メディアに取り上げられると、広告よりも信頼が高い
プレスリリースは新聞記者やメディア関係者の目に留まりやすく、情報サイトやニュースサイトに掲載される確率が高いです。
またメディアに取り上げられた場合、Web広告とは異なり「信頼できる情報」として受け止められます。
ちなみにプレスリリースの平均費用は30,000円です。
ここで利用者が多い、プレスリリースサービスを3つ紹介しておきます。
【主要なプレスリリースのサービス】
- PR TIMES(ピーアールタイムス)
▶︎1配信:30,000円から - @Press(アットプレス)
▶︎1配信:30,000円〜59,800円 - valuepress(バリュープレス)
▶︎1配信:30,000円(無料プランあり)
プレスリリースを配信すると、1配信につき数十〜数百のメディア関係者が目を通し、親和性の高いメディアがあれば、プレスリリースの内容が大手メディアにも掲載されます。
コンテンツマーケティングとSEOの違い
コンテンツマーケティングとSEOの違いですが、SEO対策はGoogleなどの検索結果で上位表示させる目的で、サイトやコンテンツの施策を行います。
これに対しコンテンツマーケティングは、消費者やユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供し、ファン層を獲得すること、サービスや商品を成約に結びつける「コンバージョン獲得」を目的にしています。
コンバージョン:
ECサイトや企業ウェブサイトなどで求められる最終的な成果。具体的には、閲覧者による商品購入・会員登録・資料請求など、収益に結びつく行動を指す。
(引用:weblio辞書「コンバージョン:conversion」)
SEOはWebサイトのアクセス増加を目的としており、ターゲットになるのは「検索エンジンで特定のキーワードを検索したユーザー」です
一方のコンテンツマーケティングでは「コンバージョン獲得」を目的としており、見込み客に購入意欲を抱かせて、商品やサービスの購入につなげる目的をもっています。
コンテンツ別 拡散のコツ!
ここからはコンテンツマーケティングで用いることが多い「コンテンツ別に拡散するコツ」を紹介していきます。
ブログの拡散方法
ブログの拡散方法として、おすすめの方法は次の5つです。
【ブログの拡散方法】
- TwitterやFacebookなどのSNSで拡散
- ブログで拡散
- ブログランキングに登録
- 過去の人気記事にリンクを貼る
- はてなブックマークで記事を保存する
どの方法もお金をかけずに取り組める方法です。
5つ目の「はてなブックマーク」とは、オンラインで記事の保存や共有ができるサービスです。
「はてなブックマーク」の人気記事にエントリーされると、ニュースサイトやSNSなどで拡散されやすいので覚えておきたいですね。
また「はてなブックマーク」以外にも、ヤフー知恵袋で回答をしたついでに、関連する自らのコンテンツを参考リンクとして掲載し、アクセス数を増やす方法もあります。
Webサイトの拡散方法
Webサイトの拡散方法は、大きく分けて5つあります。
- TwitterやFacebookなどのSNSで拡散
- SEO対策を行う
- プレスリリースやWeb広告を利用する
- 既にユーザーの多いメディアに寄稿をお願いする
王道とされる方法は、1と2の上ふたつです。
5つ目の「他のメディアに寄稿する」方法ですが、ターゲット層が近いメディアに寄稿をするとより「集客効果」が出やすくなります。
プロフサイトの拡散方法
プロフサイトとは、モバイルサイトやSNS上に自己紹介(プロフィール)を作成できるサービスのことです。
作成したプロフィールの拡散方法は次の5つです。
- TwitterやFacebookなどのSNSで拡散
- ブログで拡散
- 知り合いに告知する
こうしたプロフィールは個人だけでなく、アーティスト、起業家、企業のブランディングに欠かせないツールのひとつです。
プロフィールを活用し、人脈づくりや市場の開拓に役立てましょう。
Twitterの拡散方法
Twitterの拡散方法ですが、運営している他のコンテンツ(ブログ・Webサイト・SNS)を使って拡散できます。
【Twitterの拡散方法】
- InstagramやFacebookなどのSNSで拡散
- ブログで拡散
- 知り合いに告知する
Twitterにも「拡散力」はありますが、ただツイートするだけでは、Twitterアカウントは拡散されません。
ブログメディア、Webサイト、noteなども活用し、SNSを広める戦略を立てましょう。
Facebookの拡散方法
Facebookの投稿やアカウントを広めるには、大きく3つの方法があります。
【Facebookの拡散方法】
- Facebookの知り合いに広める
- TwitterやInstagramなどのSNSで拡散
- Webサイトやブログで拡散
Facebook自体、閉じられたコミュニティなので、外に向けて発信をする機会は少ないのですが、企業のアカウントや個人のブランディングに使用されるアカウントは外にも開かれていて「誰でも投稿が見られるよう」公開設定されています。
Instagramの拡散方法
Instagram(インスタグラム)あ、TwitterなどのSNSに比べて拡散力が低いのですが、TwitterやFacebook、LINEなど他のSNSを使うことで拡散力が高まります。
【Instagramの拡散方法】
- TwitterうあFacebookなどのSNSで拡散
- 拡散(バズり)を狙う
- 他のインフルエンサーに拡散依頼する
- 自らをブランド化しインフルエンサーとして情報発信
- ブログメディア、Webサイトで告知を行う
このほかInstagram内で影響力のあるインフルエンサーに協力してもらい、アカウントやサービス・製品の告知をするなどの方法もあります。
「拡散性」を高める方法を複数組み合わせてみましょう。
ライン(LINE公式アカウント)の拡散方法
ライン(LINE公式アカウント)とは、企業や店舗がLINEで「公式アカウント」を取得し、登録者とコミュニケーションが取れるツールです。個人でも使えます。
最近では、Webサイト・ブログ・店内などで「LINE公式アカウント」のURLやQRコードを表示する大手企業、店舗が増えています。
国内最大のコミュニケーションアプリ「LINE」を通じて、自社のサービスや商品、キャンペーン内容が伝えらるのは、同サービス最大のメリットです。
【公式LINEの拡散方法】
- TwitterやInstagram、FacebookなどのSNSで拡散
- ブログやWEBサイトで拡散
- メルマガ、動画コンテンツでも告知
LINE公式アカウントの取得方法は、以下のページで詳しく解説されています。
コンテンツを拡散する方法のまとめ
- SNSマーケティング
- SEO対策
- Web広告
- メールマーケティング
- プレスリリース
ただコンテンツをつくって更新するだけでは、コンテンツは拡散されません。
コンテンツのユーザーを増やし、顧客やサービスの購買層を増やして「収益化」するには、コンテンツを広める戦略が必要です。
今回紹介した方法を使って、長く価値を提供し続けて広く知られるコンテンツに育てていきましょう。
コンテンツのブランド力が高まれば、Googleなどの検索結果に左右されないコンテンツに成長するでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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